2012年08月29日

医療ミスの防ぎ方を他業界に学ぶ

あなたの“コミュニケーション”、ちゃんと伝わっていますか?

渡瀬剛人
ワシントン大学救急医学領域
ハーバービュー・メディカルセンターAttending Physician

 7200億円。2006年、エアバス社が目玉製品の2階建て超大型旅客機A380の製造・納入を遅延させたことで負った推計損失額(補償金)はこれほどに上りました[1]。異なる国の工場で分業して機体を製造していたものの、各工場で使用するソフトウェアのバージョンが統一されていなかったため、いざ飛行機を組み立てる段階でうまくドッキングできなかったというのが遅延の理由です。その結果、1機当たり530kmのケーブル、10万本の導線、4万個の接続端末と格闘する日々が始まったのでした。「工場間のコミュニケーションをもっと円滑にしておけば…」と、エアバス社は悔やんでも悔やみきれなかったことでしょう[1、2]。続きを読む