2013年06月28日

「子どもの死」の最も近くにある仕事

川口 敦
アルバータ大学(Stollery Children’s Hospital)小児集中治療クリニカルフェロー

 読者の皆さんは「死」についてどのくらい興味をお持ちでしょうか?

 とんでもない質問で始まりましたが、今回は子どもの「死」についてお話ししてみたいと思います。続きを読む

2013年06月27日

鳥インフルエンザとSARSの意外な共通点

本橋京子
ラッフルズジャパニーズクリニック(心療内科/漢方外来)勤務医
東京女子医科大学附属東洋医学研究所非常勤講師

 2013年3月30日、中国上海市と安徽(あんき)省で鳥インフルエンザH7N9が発生し、3人の死者が出ました。

 当初は急速に感染が広まり、パンデミック化も懸念されましたが、5月上旬になると上海では終息の局面を迎え、元気になって退院していく患者や、入院中の患者にきめ細かい心理的ケアを施す医療従事者の姿が地元テレビに映し出されていました。5月28日に北京で新規感染が確認された後、新たな症例は報告されていません。6月9日までの累計で、中国全土の感染者は130人、死者は39人となりました。感染拡大に目を光らせていたわれわれ邦人医療関係者も、今はホッと胸をなで下ろしているところです。続きを読む

2013年06月20日

莫大な医療資源が使われる中、集中治療医の役割は?

医師の需給予測を考えるVol.4

永松聡一郎
ミネソタ大学呼吸器内科/集中治療内科クリニカルフェロー

 私がミネソタ大学の集中治療室(intensive care unit;ICU)で働いていた頃、ICUは“1泊30万円のホテル”にたとえられていました。患者さんの入院費用が1000万円を超えることはよくあること。症例検討会では1億円を超える事例が議論の対象となっていました。

 アメリカでは毎年約500万人がICUに入院し、約3割のアメリカ人は亡くなる直前1カ月間にICUを利用します[1]。約8割のアメリカ人は患者として、あるいはその家族や友人として、生涯の間に一度以上はICUに接します。ICUでの医療には高額の費用がかかり、その額は病院医療費の3割、国内総生産(GDP)の1%、9兆円以上に及ぶと言われています。続きを読む