2013年08月28日

バッドニュースを患者にどう伝えるか

末期癌患者とのかかわりでGPは何ができる?

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 GP(general practitioner)の診療には、原発癌や再発癌を早期発見する最前線という側面もあります。癌の見逃しはクレームや医療訴訟の原因として最も多いものの一つということもあり、非常に責任の重いポジションです。一方で、癌発見後の患者のケア、家族のケア、痛みの治療、緩和療法・緩和ケアなどを通して、患者とのつながりや信頼関係を築くこともできます。時には患者の内面を垣間見ることのできる点で、やりがいも大きいと言えます。続きを読む

2013年08月15日

徴兵を抽選で決めたベトナム戦争と臨床研究

1970年代の医療ビッグデータ

永松聡一郎
ミネソタ大学呼吸器内科/集中治療内科クリニカルフェロー

 1969年12月1日、ワシントンD.C.で行われた、とある抽選会に全米が釘付けとなっていました。その模様はテレビやラジオで中継され、透明な抽選箱の中に366個のカプセルが入れられていく様子が報じられています。政府代表を務める下院議員が、神妙な面持ちで最初のカプセルを取り出し、中に入っていた紙を読み上げます。続きを読む

2013年08月07日

日本語が下手な日本人

岡野龍介
インディアナ大学病院麻酔科アシスタント・プロフェッサー

 今回は、医療の話から少し外れて、アメリカでの学校教育およびアメリカで育つ日本人の子どもの言語発達についてお話ししたいと思います。

 そもそも私がアメリカに住んでみたいと思った理由の一つは、子どもの学校教育システムにありました。アメリカの学校教育に対して、「詰め込み教育ではなく、独創性が重視され、日本のような受験競争からは無縁のゆったりとした教育が受けられる」という漠然としたプラスのイメージを持っていたのです。続きを読む