2014年01月31日

「イスカンダル計画」の地で医療マネジメント会議

所属病院グループのマネジメントセミナー“傍聴”記

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 「今年も女子会に参加するのを楽しみにしていたけれど、急に仕事が入って日本に帰れなくなりました。すみません」。昨年の秋、私はこのようなメールを出す羽目になりました。

 10月最初の日曜日、東京駅前のKITTE(2013年3月にオープンした大型商業施設)内のレストランで開催予定の、医学部同級生女子10人が集まる食事会に参加するのを楽しみにしていた私ですが、病院行事が急きょ入ってしまいキャンセルすることになったのです。「女子会」とはいっても、私の同級生ですから今や皆さんほとんどがお母さんです。続きを読む

2013年01月22日

原因不明の低血糖、男性が飲んでいたのは…

シンガポールで経験した“常識外”の症例(その2)

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 前回は軟便が軽快しない乳児の症例を紹介しましたが、その後も似たような相談を受けたことがあります。もう少し大きな1歳半くらいの日本人のお子さんだったのですが、問診や診察をしてもこれといった下痢の原因が見当たりません。そこで、「あのときと同じようなケースか?」と考え、母乳を増やすために薬を飲んでいないか、お母さんに聞いてみました。続きを読む

2013年01月21日

日本人医師には想定外だった、乳児の軟便の原因

シンガポールで経験した“常識外”の症例(その1)

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 「うちの子ども、このところずっと便が緩いんです。しかも、1日に何回も出るので、さっきおむつを替えたばかりでまた替えるという具合です。しばらくすれば落ち着くかなと思って様子を見ていたのですが、もう2週間以上も続いているので、心配になって連れて来ました」。

 生後3カ月の乳児を抱えた日本人のお母さんからの相談です。一見、何のことはない、よくある症例のようですが、実は全く想定外の原因が潜んでいました。続きを読む

2012年06月11日

医師として、帰国は認められません

2月あたりの修学旅行は特に危ない!

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 シンガポール港はその地の利から、昔から航海の中継地として栄えていました。じきに日の出の勢いの上海に抜かれてしまうとは言われていますが、今でもシンガポール港の貨物取扱量は世界一を誇っています。

 同様に、空の玄関口としてのチャンギ空港では、アジアとヨーロッパを結ぶ要衝(ハブ空港)として多くの人々が降り立ち、飛び立っています。チャンギ空港の3つのターミナルには、それぞれラッフルズメディカルグループのクリニックがあり、空港内で調子を崩した人たちが訪れます。今回は、そうした旅行者のエピソードについてお話ししたいと思います。続きを読む

2012年04月27日

クリニック開業はSARS禍の中

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 これまで10年間シンガポールで診療をしてきた中で最も大きな事件は、なんといっても重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行でした。2003年4月のことですから、この流行は皆さんもよくご記憶のことと思います。この全く新しい感染症は中国に出現し、瞬く間にアジア地域に広がって、香港で大流行した後シンガポールへも飛び火。多くの犠牲者を出して、社会的混乱を招きました。続きを読む

2012年03月06日

これが教科書で読んだデング熱?

日本で診ることのない症例にオロオロ(その2)

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 前回に引き続き、日本で出くわすことはないけれど、シンガポールではわりとありふれた疾患について、私がシンガポールの日本人会診療所に赴任して間もないころのエピソードをご紹介したいと思います。今回は、当地で働き始めて1カ月後くらいの出来事です。続きを読む

2012年03月01日

長引く咳の原因は「ヘイズ」

日本で診ることのない症例にオロオロ(その1)

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 シンガポールという都市は非常に発展し整備されているので、衛生面でも特に問題はなく、東南アジアにありながら、いわゆる熱帯病と呼ばれる感染症などを見かけることはほとんどありません。「マラリアやアメーバ赤痢の患者が島内で発生」とのニュースをたまに聞くことがありますが、基本的にそれらは輸入伝染病です。続きを読む

2012年01月12日

ラッフルズジャパニーズクリニック誕生(その2)

人生をかけたプレゼンは拍子抜け?

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 前回お話ししたように、日本人向けクリニック開業の件で、ラッフルズメディカルグループのルー・チュン・ヨン会長との面接を何とか取り付けたわけですが、さて、そこからが大変でした。続きを読む

2011年10月26日

ラッフルズジャパニーズクリニック誕生(その1)

ルー会長、私の話を聞いてくれ!

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 日本人が在留している多くの国で日本人コミュニティーが存在しますが、シンガポールにおけるコミュニティーも連帯感が強く、職種を超えての密なお付き合いがあります。様々な業界からの「代表者」がコンパクトに集結していることも、とても魅力的です。日本では単なる普通の医師の1人に過ぎなかった私も、シンガポールの医療業界で働く日本人医師の「代表者」として、コミュニティーに参加することができました。続きを読む

2011年09月28日

シンガポール赴任の条件は、論文、子作り、産業医

大西洋一
ラッフルズジャパニーズクリニック院長

 医局からの派遣でシンガポール日本人会診療所に赴任したのは2001年3月のこと。03年4月からはラッフルズジャパニーズクリニックに職場を変え、いつの間にか日本を離れてから早10年以上が経ってしまいました。一昨年の9月には上海にもジャパニーズクリニックを立ち上げ、シンガポールに家族を残しての上海での単身赴任生活も1年半を過ぎています。続きを読む