2014年02月10日

妊娠、中絶、妊娠、流産を経験した15歳の少女は…

オーストラリアGPからの挑戦状(5)解答編

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 前回の「オーストラリアGPからの挑戦状(5)」の解答編を始めます。まずは設問から振り返ってみましょう。

 今回は、第1回目の「挑戦状」で紹介したソマリア人の少女(15歳)が、再び登場します。名前を仮にエイミーとしましょう。

 その後(妊娠中絶をした後)、エイミーは避妊が必要だと言われていたにもかかわらず、間もなく再び妊娠して、今度は流産してしまいました。これにはさすがに懲りて、インプラノン(implanon、上腕の皮下に埋め込むタイプの避妊具〔後述〕)を使い始めました。それから2カ月。しばらくクリニックに来ないので“No news is good news.”と思っていたら、先日、インプラノンを取ってほしいということでやって来ました。この2カ月間、毎日のように出血して生理用パッドが手離せず、とても煩わしいとの訴えです。続きを読む

2014年02月04日

忌憚のない医師・患者関係がうれしくて、楽しくて

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 オーストラリア人を指して、砕けた表現でオージー (Aussie)と呼びます。オーストラリアを訪れたことのある人は、オージーはとてもフレンドリーだと言います。確かに、とてもフレンドリーで、開けっぴろげで、遠慮がありません。

 親切にしてくれるときは何の下心もありません。その好意は本当の親切心から出ています。できないときは“Sorry, I cannot help you.”と言って、「できること」「できないこと」にしっかりと線を引きます。ですから、「この前はああしてくれたから、今回もやってくれるだろう」と期待すると裏切られるかもしれませんが、こちらではそれが当たり前。義理とか恩義とか遠慮とか、控えめは美徳とか、日本でおなじみの精神文化はさほど重んじられません。続きを読む

2013年09月24日

DNA、pink ladyとオーストラリアの病院で言えば?

オーストラリアGPからの挑戦状(医療英語)解答編

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 前回の「オーストラリアGPからの挑戦状」、医療英語クイズの解答編を始めます。いずれもオーストラリアの臨床現場で頻繁に出てくるフレーズで、オーストラリア独特の表現もあります。まずは設問から振り返ってみましょう。続きを読む

2013年08月28日

バッドニュースを患者にどう伝えるか

末期癌患者とのかかわりでGPは何ができる?

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 GP(general practitioner)の診療には、原発癌や再発癌を早期発見する最前線という側面もあります。癌の見逃しはクレームや医療訴訟の原因として最も多いものの一つということもあり、非常に責任の重いポジションです。一方で、癌発見後の患者のケア、家族のケア、痛みの治療、緩和療法・緩和ケアなどを通して、患者とのつながりや信頼関係を築くこともできます。時には患者の内面を垣間見ることのできる点で、やりがいも大きいと言えます。続きを読む

2013年04月11日

「“白い食べ物”で嘔吐する」3歳男児への対応は?

オーストラリアGPからの挑戦状(3)解答編

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 前回の「オーストラリアGPからの挑戦状(3)」の解答編を始めます。まずは設問から振り返ってみましょう。続きを読む

2013年03月18日

女性医師、母、オンナとして…

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 自分の人生に結婚はあり得ない――。私はてっきり、そう思っていました。

 今の旦那さんと知り合ったのは、私が34歳の時。内科医として日本で10年間働いた後、骨代謝の研究のためオーストラリアのシドニーに渡り、それが一段落して日本に帰る間際、彼と出会ったのです。

 当時、私は大学院の博士課程にいて、研究が一段落したので日本に帰り、論文を仕上げて博士号を…という計画でした。もし、彼に出会わなかったら、今頃はまだ大学に残って臨床あるいは研究をやっているか、どこかの病院に派遣されて勤務医として働いているか、はたまた開業していたか。皆目見当が付きません。

 彼に出会うまではGP(general practitioner)という職業があることさえ知らなかったので、もしかしたら「ビビッ」としないまま日本で医師として漠然と働いていたかもしれません。それなりに生きがいもあるし収入もあるし、それはそれでよかったのかも…。今回の一文は、日々が漠然と過ぎていくと感じているような女性医師の方々に、特に読んでいただきたいです。続きを読む

2012年12月13日

「夫の求めに応じられない」56歳女性への対応は?

オーストラリアGPからの挑戦状(2)解答編

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 前回の「オーストラリアGPからの挑戦状(2)」の解答編を始めます。まずは設問から振り返ってみましょう。続きを読む

2012年11月13日

“You should come!”と言わなきゃ、他科の医師は来ない

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 日本人ほど英語にコンプレックスを持っている民族は少ないのではないかと思います。教材は星の数ほどあふれているのに、どうして話せないんだろう…。私もそんなふうに思っていたうちの1人でした。オーストラリアに住んで15年たった今でも英語は苦手です。ただ、最近になってその理由がだんだんと分かってきました。続きを読む

2012年10月30日

ソマリア人の15歳女性、妊娠への対応は?

オーストラリアGPからの挑戦状(1)解答編

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 前回の「オーストラリアGPからの挑戦状」、コメント欄で予想以上の多くの回答をいただき、ありがとうございました(※1)。まず設問から再度振り返ってみたいと思います。続きを読む

2012年08月21日

「ビビッときた」から、GPを目指しました

小林孝子
ビーンリー・ロード・メディカルセンターGPフェロー

 皆さん、はじめまして。小林孝子です。オーストラリアへ渡って、夢だったGP(general practitioner)となり、ブリスベンで働くこと丸6年。あっという間に過ぎてしまいました。

誰でもすぐに打ち解ける不思議な言葉、“G’ Day,Mate!”
 連載タイトルに入れた“G’ Day,Mate!”を「ジー・デイ、メイト!」と読んだ人は多いと思います。これは「グッデイ、マイ!」と読み、「ハロー」の意味です。“Mate”は“sir/madam”の砕けた言葉で、親しみを込めた言い方です。続きを読む