2012年09月29日

“臨終の作法” in USA

河合達郎
マサチューセッツ総合病院移植外科
ハ―バード大学医学部外科准教授

 「ご臨終です」。日本にいるときは当たり前のように、患者の死に際してこう宣告してきました。ところが、アメリカで患者の死に直面するようになると、「はて、死亡宣告は英語でどう言うのか?」「そもそも、臨終の作法はどうあるべきか?」など、最初は戸惑うことばかりでした。続きを読む

2011年09月22日

巨大津波に飲み込まれなかった医療施設

河合達郎
マサチューセッツ総合病院移植外科
ハ―バード大学医学部外科准教授

 岩手県大船渡市の北に吉浜(よしはま)という小さな村があります。古くから良質のアワビが採れることで有名で、江戸時代の昔から中国に輸出され、吉浜鮑(キッピンパオ)と言われ、非常な高値で取り引きされてきました。続きを読む

2010年12月29日

「今日は君に苦言を呈する」

河合達郎
(マサチューセッツ総合病院移植外科/
ハ―バード大学医学部外科准教授)


 日本の透析医療は世界最高レベルにあります。米国と比べてみると、レベルの違いはまず透析クリニックの環境に見て取れます。日本のほとんどの透析クリニックで患者専用のロッカーがあり、患者さんはパジャマに着替えてリラックスして透析の時間を過ごします。テレビもあるのが普通です。一方、米国では、リクライニングソファのようないすに腰掛けて普段着のまま透析を受けるのが普通です。続きを読む

2010年03月16日

「臓器移植」という名のパンドラの箱


河合達郎
(マサチューセッツ総合病院移植外科/
ハ―バード大学医学部外科准教授)


 本当はもう少し軽い話題にしたかったのですが、昨年日本の国会で「臓器移植法改正案」が可決(2009年6月に衆議院、7月に参議院にて)され、今年の7月から改正法がいよいよ施行されると聞きました。臓器移植の実施を待っている患者さんやご家族に、少しでも希望の光が照らされることを願ってやみません。そこで、この機会に移植医の端くれとして、移植医療について書かせていただこうと思います。続きを読む

2010年01月26日

アメリカのコメディカルはここまでやっている!

河合達郎
(マサチューセッツ総合病院移植外科/
ハ―バード大学医学部外科准教授)


 前回取り上げた、アメリカにおけるマネジドケア(2009.11.27「マネジドケアで医師の裁量は尊重されるか」の続きをお話します。マネジドケアでは出来高払いではなく定額支払いとなるため、入院期間を可能な限り短くすることがポイントになることは既に述べました。
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2009年11月30日

マネジドケアで医師の裁量は尊重されるか

河合達郎
(マサチューセッツ総合病院移植外科/
ハ―バード大学医学部外科准教授



 私が現在勤務するマサチューセッツ総合病院(MGH)は、1811年にボストンで創設された全米で3番目に古い病院です。世界で初めてエーテルを用いた全身麻酔によって手術が行なわれたことでも有名ですが、現在はハーバード大学医学部の代表的な関連病院として、ベッド数約900、年間入院患者数約4万7000人、年間外来患者数約150万人と、ニューイングランド地方では最も大きな病院です。『New England Journal of Medicine』でMGHの臨床病理カンファレンス(CPC)が毎週連載されているので、ご存知の方もいるかと思います
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2009年10月01日

中年から米国で臨床医として働く秘策


河合達郎
(マサチューセッツ総合病院移植外科/
ハ―バード大学医学部外科准教授


 人生短いもので、もう壮年と言われる年になってしまいました。そうは言っても、まだ人生を語るほど老成はしていないつもりですが、KUROFUNetから私の特異な経歴をぜひ開陳してほしいと強く要望され、筆を取ることにしました。

 米国に渡って医師として働いてみようと思う人には、(1)医学生で卒後研修を是非米国で受けてみたい、(2)日本である程度研修は終わったのだが、さらに専門性を高めるための研修を米国で受けたい、(3)今さら研修などする気はないが、自分の医師としての技量、あるいは研究してきたことを外国において試したい、といった動機があると考えられます。(1)と(2)については、いろいろな本も出ており情報が比較的豊富ですが、(3)については語られることがほとんどありません。私はこの(3)に該当します。続きを読む