2014年03月19日

自宅もクリニックも工事の遅れにはご用心

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 こちらはドイツ。100年来の厳冬と言われた2013年の寒さに比べれば、この2014年は暖冬だったとはいえ、クリスマスマルクト(Weihnachtsmarkt:クリスマスマーケット)の立ち並ぶ年の瀬に、骨まで凍るようなスケルトンの夏ズボンに夏ブレザー、半袖シャツといういでたちの筆者。やはり当院スタッフも「先生、大丈夫ですか?」ということになります。私のような一世代前の日本人の体型に合う服はまず入手できないドイツですから、秋に寒風吹き渡るリューゲン島を訪れるために(「有休の消化は病院の“義務”」参照)、ダウンコートを取り出しておいたのは結果的に大正解でした。続きを読む

2013年11月27日

有休の消化は病院の“義務”

休暇を取らなければ良い仕事ができない
ドイツの医師の報酬とワークライフバランスVol.3

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 今回は「ドイツの医師の報酬とワークライフバランス」シリーズの最終回として、休暇(ウアラウプ: Urlaub)に焦点を合わせてみたいと思います。ドイツ人には、医師に限らず、「ウアラウプは国外の滞在型保養地でゆっくりと過ごしたい」という願望があります。ですから、有給休暇の日数を月収の額と同じように大切に考えているのです。続きを読む

2013年11月13日

多くの医師はベンツやポルシェに乗れない?

ドイツの医師の報酬とワークライフバランス(2)

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 前回に引き続き、様々な観点からドイツの医師の報酬とワークライフバランスについてご紹介していきます。

「医師の収入は十分高い」と保険組合は言うが…
 「長い教育・研修過程、高い専門的知識と技術、責任の重さを考慮すると、医師の収入は低すぎる。さらに開業医では、スタッフの人件費や設備のためのコスト、実質的な労働時間を考慮すると、収入の低さは異常と言える」。勤務医や開業医の労働組合はこう主張して、改善をたびたび要求してきました。実際、かつて大学病院でストライキが打たれたときは、ある程度は世論の支持も得て、一定の待遇改善が実現しました(後述)。続きを読む

2013年09月27日

ドイツの医師の懐はなぜ寂しいのか

ドイツの医師の報酬とワークライフバランス Vol.1

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 ドイツの医療は日本の医学教育と医療制度の“創世記”に深く影響を与えました。しかし、医師の報酬とワークライフバランスについては、ドイツと日本は独自の歩みをたどってきました。

 内科医である家内は、知り合いの日本人から「お金があるのに質素」と言われ、「なぜ医師はお金持ちだと思うのでしょう?」と困惑します。日本で暮らす私の心優しい妹も、私たちが広い住居で裕福な生活を満喫しているものと勘違いしているようです。もっとも、かく言う私もドイツに来て「えっ!」と驚いたのは、医師に対する報酬の低さだったのですが。

 その唖然とするような現状を、今回から3回にわたってご紹介します。続きを読む

2011年11月24日

ドイツの公的保険契約医、2つの特徴

人口1000万人の地域で開業保険医の空席は8人!

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 前回の記事から、すいぶんとご無沙汰してしまいました。実は、自ら「ラマダン・ダイエット」と名付けた、かつての日本の同僚栄養士の諸兄諸姉が聞いたら嘆くであろう自己流ダイエットが奏効して7kgの減量に成功。しかし、急激な減量で「脂肪の腹巻」を失ったためか不覚にもヘルニアが勃発し、全麻手術で2泊の入院。普段の不精も加わって、ますます原稿が遅れましたことをお詫び致します。続きを読む

2011年05月29日

平日なのに外来患者がまばらな「病院」

家庭医、専門医、病院―ドイツにおける分業体制

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 ドイツの医療制度について、古くから医薬分業体制が確立していることはよく知られています。しかし、案外と知られていないこともあります。その一つが、家庭医・開業専門医・病院の三者の役割分担の厳密さでしょう。続きを読む

2010年11月25日

公的保険と民間保険が共存すると…

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 渡独して8年。デュッセルドルフの街角に小さな内科クリニックを構え、欧州在住歴云十年の先輩方(私より年下の先輩もいらっしゃいますが)の激励を頂戴しながら医業を行っています。

 明治の初期にドイツの医学と医療制度を取り入れ、国民皆保険と経済成長の歯車が上手く合ったこともあり、日本は今や世界最高の長寿国になりました。しかし最近は、その医療制度も課題が目立つようになっています。日本の多くの医療者の目がアメリカに向けられる昨今、本家本元のドイツの医療制度が、今日に至るまでどのように発展・進化してきたか、数回に分けて紹介したいと思います。初回と第2回はドイツ医療の根幹、医療保険制度についてです続きを読む

ハムスターの滑車

診療サイドから見たドイツ医療保険制度の特徴

馬場恒春
ノイゲバウア-馬場内科クリニック(デュッセルドルフ)

 前回は被保険者側から見たドイツの医療保険制度について紹介しました。私たち診療側の視点から見ても、ドイツの医療保険制度にはいくつかの特徴があります。
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